蓮、自然、雑草のはなし

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先日図書館に行って目に留まった本。仏教と植物のかかわりを説明した新書なのですが、読んでみたら面白かったのでちょっとご紹介。

「なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか」(幻冬舎刊)稲垣栄洋著

その1.蓮の花が咲くときに「ぽん」と音がする、という話の真偽(12p)

一度早起きして蓮の花の咲く音を体験してみたいと思っていました。でも植物学者のこの本の著者によると、そんな音はしないそう・・・。とは言え各地で「蓮の花を咲く音を聞く会」みたいのがあるようで、実際その音を聞いたという人もいたりして、音がするってことにしておいた方が夢がありますよね。

 

その2.西洋から入ってきた「自然」「雑草」という概念

「私たちはよく、『自然を大切に』という言い方をしますが、実は自然という概念そのものがキリスト教的な西洋の考え方です。キリスト教では自然は人間のために神が作り出したものです。そのため、人間は自然を克服し、人間の幸福のために利用することができたのです。一方、日本には『自然』という概念はありませんでした。」(189P)

「欧米の人々にとって、神の恵みである穀物の成長を妨げる雑草は邪魔者でした。夜中のうちに悪魔がやってきて雑草の種をまいていると考えられていたほどです。ですから欧米では悪い草を「雑草」と呼び、役に立つ良い草を「ハーブ」と呼びます。」(192p)

自然なものを取り込もう、ハーブと親しむ、なんて私たちが気軽にしているそんな会話にも、西洋の影響からの概念が私たちに随分根付いているんだな、なんてことを考えさせられました。でもそんなこと思いつつも万物に命があるという日本的な考えも持っているから日本人て面白いです。

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